遊園地にハマったアラサーOLの雑記

コースタービギナーの感想文置き場です。次の目標はピレネーと八木山サイクロン。

姫路セントラルパーク 前日譚

2022年7月1日、筆者は偶然Twitterで回ってきたとあるツイートを見て姫路セントラルパークに行くことを決意した。

 

「7月16日土曜、姫路セントラルパーク
最大5.2G、日本最大ループ、
コースター設計の神様がつくった
大型絶叫コースター


『ヴィーナスGP』新登場!」

 


ツイートに埋め込まれた動画には巨大な緑の垂直ループを爽快に駆け抜ける車両。

 


2月にひらかたパークを満喫してすっかりローカル遊園地とコースターの魅力にハマった(のと若いうちに乗りたいコースターには乗っておかないと身体が耐えられなくなることを察知した)筆者は、あることに気付いていた。


宙返りループというものを経験したことがない。


その時筆者の脳裏に現れたのは地元の駅で頻繁に目にしていたとある遊園地の広告だった。


筆者の生まれ育った土地は埼玉県の南西部。
白いライオンが統治する天下の西武王国。
最寄りの遊園地は西武園ゆうえんちだった。


今でこそレトロテーマパークとして生まれ変わった西武園ゆうえんちだが、筆者の中では西武園の目玉といえば赤いレールとループが印象的なあのループスクリューコースター。
駅のホームの正面、大きな広告スペースにはいつも真っ赤なコークスクリュー(今だから名称がわかるだけで当時の筆者にとっては「ぐるぐる」である)を疾走する車両の迫力満点な写真が掲げられていた。


とはいっても、幼い頃に連れて行ってもらっただけの寂れた地元遊園地、ループスクリューコースターに乗れるくらい身体が大きくなる頃には、ローカル遊園地なんてダサい、どうせ行くならディ●ニーだよね、なんて擦れたマセガキになっていた。
そして知らぬうちにあのループスクリューコースターは故障、長期運休を経て修理の目処が立たないまま解体撤去され、西武園どころかこの世界からいなくなってしまっていたのである。


あの赤いぐるぐるを駆け抜ける広告の擬似体験が出来たら嬉しい。
と、垂直ループとコークスクリューの違いすらわかっていなかった当時の筆者は姫センに行くことを決意したのだった。(これが後に盛大な伏線回収に繋がることになる。)

 

 

 


というか、姫センってそんな本格的なコースター置いてるようなところなんだ?
動物園だよね?動物園に付いてる遊園地ってそんな規模?
と疑問に思った筆者は早速グーグル先生に聞いてみる。


動物園ではなく、サファリパークだった。


流石は日本一心の距離が遠いと言われるだけある、パーク概要の認知度すらままならない(すみませんこれは流石に筆者の落ち度です。勝手に旭山動物園とか多摩動物公園みたいな歩くタイプの広い動物園だと思ってました。ごめんなさい。)

 

 

 

 


でも、サファリパークに付いてる遊園地って、群馬サファリパークくらいの感じじゃないの?
とアトラクション一覧を見る。

 

 


なんか…普通にちゃんと遊園地じゃん……!?
コースターに関してはひらパーより充実してるまであるのでは…!?!?!?

 


どうやら「遊園地エリアがある」こと自体の認知度も異常な低さを誇っているらしく、姫路セントラルパークのHP内には遊園地エリアの認知度向上のための特設サイトが設けられたくらいだった。(ちょっと安心した。)

 

 


ヴィーナスGP以外のアトラクションで一際目を引く物があった。

 


インバーテッドコースター ディアブロ

 


遊園地エリア認知度向上特設サイト内の超簡単穴埋めクイズでは「ディア●ロ」と出題されKONAMI音ゲーマーである筆者の脳内で度胸兄弟にステップを踏ませたこのコースター。


なんか、写真見ただけで、こっちの方がヤバくね…?って思っちまうんですが…????
どうなってんの…?????


YouTubeで外野視点の動画を探す。

 


なんだこれは。

 


ぶら下がっている。
レールに一番近いのが頭だ。


え、この状態で、これ、このレールに沿って走るの????
頭おかしいの??????


筆者は混乱した。

 


何度も言うが筆者はコースタービギナー。ズブの素人だ。
筆者の知っている「宙ぶらりんのコースター」はユニバでメンテナンス運休故に乗ることが出来なかったフライングダイナソーだけだ。
乗れなかった悔しさを晴らすためにYouTubeで動画を沢山見た。
その動画では、乗車時こそレールに一番近いのは頭であったが、走行開始前に頭を軸にお尻側が上がり、背中全体がレールに沿うような体制で巻き上げが開始されていた。
なので座席はレールと並行、収まりの良い見た目だった。

 


一方のディアブロ
レールに対して座席が垂直なまま走っている。
縦に長い。
え、その状態で外回りループ????何????ぶん回しすぎじゃない?????大丈夫????


完全に宇宙を背負った猫の顔である。

 


悪魔の名を冠したコースターらしく禍々しい塗装を施されたレールも相まってか凄まじく恐ろしい印象を受け、それまでは「せっかくなら行った遊園地のコースターは全部乗りたい!」と期待に膨らませていた胸がシュン…と縮んだ。
この瞬間だけはトップバストとアンダーバストの差が0.5cmになっていた。華奢でかわいいね。

 


しかし人間というのは好奇心が旺盛な生き物。未知の領域に強く惹かれるのである。
若いうちに乗らなければゆくゆく後悔する!と、予習をしっかりした上で挑むことを決意した。
YouTubeのコメント欄やコースターレビューブログを熟読。
頭を背もたれにしっかり付けないと首をやられるんだな、じゃあ髪を後ろで括るのはやめて左右に分けよう。
彼氏にもしっかり頭を後ろに固定するよう伝えておかなければ。


宙返りループに憧れていたはずが、いつのまにか「吊り下げコースターに絶対負けない」「ディアブロから逃げるな」と闘志を燃やすアラサーOLがそこにいた。

 


そして10月某日、気合充分に姫路セントラルパークを目指して西へ向かう…。