遊園地にハマったアラサーOLの雑記

コースタービギナーの感想文置き場です。次の目標はピレネーと八木山サイクロン。

姫路セントラルパーク③ヘリオス(観覧車からの他アトラクションの眺め含む)

※注意※


専門的なコースターレビューブログを期待しないでください。
筆者はただ自分の思ったことを書き連ねるのと気になったことを調べるのが好きなだけのコースタービギナーです。

遊園地に行く頻度も半年に一度行けばいい方です。
専門用語なども分かりませんし繰り返し乗車できるほどの体力も持ち合わせておりませんので細かいことは書けません。
素人が一発勝負で乗ってみた感想文、くらいの緩いイメージでお付き合いください。

 


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ハリケーンで初めての垂直ループとコークスクリューに衝撃を受けた筆者達。

流石に身体にも影響があり、このまま続けてヴィーナスに乗るわけにはいかないな…と休憩を挟むことにした。

 

遊園地の休憩アトラクションといえば観覧車。

姫路セントラルパークの観覧車は園内奥の小高い丘の上にある。

 

ハリケーンのファーストドロップ下をくぐり、こぢんまりしたコーヒーカップを横目に坂道を上っていく。

かわいらしい見た目の吊り下げ型遊覧ライド「あひるさん艦隊」は残念ながら運休中。

こちらもハリケーンと同じく閉園した遊園地の出身らしく根強いファンがいるらしい。

 

観覧車の乗り口はこれまた裏手側だった。どこから入るのか一瞬迷ってしまう人も少なくないだろう。

 

通路を潜って乗り口側に出ると、その奥には黒々としたあのディアブロが鎮座していた。

その禍々しくうねったレールに「うわぁ…」と感嘆の声が漏れる。

まあ運休中なんですけど。

 

 

さて、ディアブロを背に観覧車乗車口へ向かうと、小ぶりな看板が目に入る。

 

近付いてみると、それはオリジナル改装ゴンドラのご案内だった。

そういえばエキスポシティの観覧車とかも地獄のゾンビ観覧車とかいうゴンドラがあったような…ここはどんなことをやっているのだろうか。

 

プラネタリウム

「テレワーク」

「障子張り和室風」

 

観覧車で景色を観覧させないスタイルのようだ。

 

 

スタッフさんにフリーパスを見せてゴンドラに乗り込む。

ふと目をやると、筆者達が乗ったゴンドラの次のゴンドラは何やら白い紙のような物で窓一面が覆われていた。

 

筆者「あれはもしや…」

彼氏「和室風、ですかね…」

 

さて、この観覧車BIG 8、骨組み部分は真っ白な鉄骨、ゴンドラ部分は濃くも爽やかな青色と、なんとなくナガシマスパーランドの白鯨を彷彿とさせる配色だ。

観覧車といえばカラフルなゴンドラ、と思っていた筆者にとってはなかなか新鮮。

 

徐々に高いところに上がっていくと、園内全体が見渡せるのと同時にちょうど眼下にヴィーナスが見下ろせるようになる。

 

反対の窓から園内奥側に目をやると先程目にした禍々しいディアブロ、そしてその向こうは敷地外。

姫路セントラルパークは山に囲まれていると思っていたが、園内奥側より更に向こう側は若干土地が低くなっており広く平地があってから山がそびえていたようで、平地には田畑と住宅が並ぶのどかな田舎の風景が広がっていた。

 

禍々しいディアブロの背景に、のどかな田舎の田園風景。

違和感しかない。

 

茨城県南部の農村地帯出身の彼氏は、「あの辺、地元そっくり…」と呟いていた。

筆者「どうする?地元の田園風景の目の前にディアブロあったら」

彼氏「えっ…やだぁ…こわい…」

 

上から覗き込むようにディアブロのレイアウトのえげつなさを眺めていると、その手前にもいくつかアトラクションがあることに気付く。

 

円形の大きな回転装置の周囲に鼓笛隊の大太鼓のような直径が大きく厚みはそこそこの円柱がいくつも取り付けられているアレは、いつぞやに群馬サファリパークで見かけたロックンロールではないか…!?

こちらでの名前は「クレイジーバー」、また厳密にはロックンロールとは似て非なる機種らしいのだが、公転させられながら前転後転の自転もするという点ではほぼ同じ。

これだけは乗れないな…とまた別のアトラクションに目をやる。

 

もうひとつ奥には大きな円形の屋根の下に波打つ土台、その内側に2人乗りの小型ライドがぐるりと並ぶ、こちらも回転系の「フラッパー」というアトラクション。

この外観には見覚えがあった。

ひらかたパークで乗車した「オクトパスパニック」だ。

筆者は個人的にオクトパス系はひらパーの「巨大タコが起こした波に巻き込まれる」タイプよりも西武園にあった「巨大タコの脚に掴まれて振り回される」タイプの方が好きなので今回はスルーしたのだが、実はこれ、中身はライドがレールの上を走っているオクトパスパニックとは異なり、中心から伸びる腕のようなパーツからライドが吊り下げられているタイプだったようだ。帰ってきてから調べて驚いた。

クレイジーバー≠ロックンロールといい、ぱっと見は限りなく似ているが別機種、という物は少なくないようだ。

 

そして、フラッパーの手前に何やら小型の観覧車のような物を見つける。

ヘリオス」と名付けられたそれは、観覧車同様の白い放射状の骨組みの周囲にピンクや黄色、黄緑など色とりどりのパステルカラーで塗装されたゴンドラが吊り下げられている。

規模感としては道の駅ららん藤岡にあったかわいらしい観覧車に近いだろうか。

たまたま筆者が乗った日は風が強く、激しく揺れるゴンドラに筆者と姉は観覧車にあるまじきスリルを味わっていたことを覚えている。

一方こちらのヘリオスは風もないのに別の意味でスリルを感じられそうな挙動をしていた。

 

高速回転しているのである。

 

しかも、吊り下げ型のゴンドラは遠心力で底が外を向き、最上部を通過時はほぼ完全に逆さまになっているのだ。

 

彼氏「エクストリーム観覧車じゃん…」

 

園内マップのカテゴリとしてはスリルライドに分類されているヘリオス

見た目からしてスリリングな挙動。

しかし、さほど稼働音が大きいわけでもBGMが大きいわけでもないのに不思議なことに絶叫は一切聞こえない。

これは一体どんな乗り心地なのだろうか。

人間というのは好奇心が旺盛な生き物なのである。

観覧車を降りたら次はエクストリーム観覧車に乗ろう、ということになった。

 

ヘリオスというのはギリシャ神話の太陽神だそうで、アトラクションの柵の中にも太陽に顔が付いた絵が設置されていた。随分と色褪せてはいたが。

 

 

乗車時はクレイジーバー等と同じような背の低い円形回転ライドのように見える。

支柱部分が完全に横たわり、全てのゴンドラが支柱先端から放射状に伸びる骨組みの先端でお行儀良く床を地面に向けて吊り下がっている。

 

先客が降車した後、スタッフさんがゴンドラひとつひとつの人の手が触れる部分にアルコールスプレーを吹き掛けて消毒していた。

丁寧なご対応に感謝である。

 

 

荷物をカゴに預けて乗車。

このゴンドラは巾の狭い1人乗り用(付き添いが必要なお子さんのみ親御さんと前後に並んで乗れるようだ)なので大人は同行者と同じゴンドラに乗り合わせることは出来ない。1人1ゴンドラ。孤独である。

吊り下げ型ということでもちろん乗車時から揺れる。体重の掛け方に気をつけながら乗らなければならない。

長座の姿勢で乗れるくらい縦方向には余裕があり、自宅の湯船がこれくらいならいいのにな、と呑気なことを考える。

 

安全装置は普通車のようなシートベルトのみ。

ゴンドラの左右にある窓枠のような金属棒に黒い合皮のクッション性のあるカバーが巻いてあり、稼働中はそれを握るようにと指示される。

 

スタートすると、スムーズにスピードを上げてすぐに底が外を向き頭が内側に傾く。

徐々に支柱が起き上がり、円形回転ライドの形から観覧車の形に変化しているなと景色の角度の変化で理解する。

 

先に結論から申し上げると、このヘリオス、「スリルライド」というよりは「気持ち悪ライド」であった。

 

まず始めに感じる気持ち悪さは、ドップラー効果によるBGM音程変化の気持ち悪さ。

 

これは降車後に彼氏も言っていたのだが、地上にあるスピーカーから何やらゆったり陽気なBGMが流れているため支柱が起き上がってゴンドラが回転と共に上昇下降を繰り返すようになるとその度にスピーカーからの距離が変化してBGMの音程が変わってしまう。

これがなかなかに不気味。

悪夢の世界にある遊園地に閉じ込められた時に壊れたスピーカーから流れる妙に愉快なBGMってこんな感じなのだろう。

 

次に感じる気持ち悪さは、角度を変えながらぐるぐると回る景色。

正直、外は見ない方が良い。

絶対に酔う。

高速で視界を横切る斜めを向いた観覧車が見えた瞬間に筆者は視線を前方に固定した。

景色の回転がきついなら前のゴンドラだけを見ていれば大丈夫なはず…

 

大丈夫じゃないのである。

第三の気持ち悪さ、自分の乗っているゴンドラと前のゴンドラの揺れ方、傾き方が若干違う。

そりゃあそうだ、吊り下げ型なんだもの。

遠心力でこうなっているんだもの。

乗っている人の体重や姿勢で揺れ方も傾き方も変わる。

目の前で不規則にユラユラするゴンドラに目がくらくらしてくる。

 

 

ジェットコースターなどと違って緩急がなく、ひたすら一定に回され続けるだけのこれは、確かに絶叫するタイミングが無い。

強いて言えば、最下部を通過する時に支柱ギリギリの所を通るため「ヒッッ」とはなる。それくらいだ。

観覧車から見ていた時の疑問が解けた。

 

延々と続く回転と視界の揺れに目が回り、徐々に支柱が横になりながら回転速度を落とし始める頃には筆者は「もうどうにでもしてくれ…」と脱力投げやり状態になっていた。

 

完全に回転が止まりスタッフさんが扉を開けてくれた時にはぐったりとうなだれていたようで、「大丈夫ですか?」と声をかけられるほどだった。

 

吐くまでは至らないがなかなかに気分が悪い。

自身の三半規管の弱さを思い知らされた。

 

幸いアトラクションの目の前にベンチが数台設置されていたため、空いていたベンチに腰掛けしばし休憩を取る。

 

ヘリオスは、筆者が人生で初めて乗ったことを後悔したアトラクションとなった。

人には向き不向きがある。

直径が小ぶりな高速回転は、筆者には向いていない…。

 

 

 

余談なのだが、

クレイジーバーとロックンロール、フラッパーとオクトパスパニックのようなよく似た、しかし名前の異なるアトラクションが存在することを知り、その遊園地での固有のアトラクション名ではなく一般にカテゴリとしては何と呼ばれるのだろうか、という興味でヘリオスについて調べてみたところ、このエクストリーム観覧車タイプで座席がゴンドラ型のアトラクション、一般にエンタープライズと呼ばれる物は現在国内では姫路セントラルパークよこはまコスモワールドにしか設置されておらず、非常に希少であることが判明した(しかもコスモワールドの物は1つのゴンドラが縦に長く仕切りがあるものの大人2人が縦に並んで乗れるので完全な同型ではない)。

 

類似機種では、座席が空中ブランコ状態の、いわば生身エクストリーム観覧車の方が圧倒的に多いのだ。

ワイルドストームと呼ばれるそれは、常にゴンドラの底が外を向いているエンタープライズと違って最上部では重力に負けて足側が下に来るように横回転までするらしい。

稼働中の様子を外から撮影した映像を見たが、不規則な横振りが加わったその挙動はエンタープライズとは比べものにならないほどエクストリームであった。

 

先に出会ったエクストリーム観覧車がワイルドストームでなくて本当によかった…。